2021年3月に、risoraの標準色の仲間入りをした新しいパネルカラー。柔らかな輝きを放つ「アルミニウムシルバー」と、明るい木目調の「ナチュラルウッド」は、それぞれ今の時代に求められる空間づくりを可能にするルームエアコンとして提案されています。新色の検討から試作、完成まで、約半年間にわたって議論を重ねてきたダイキンの北村(商品企画担当)、林、吉川(ともにデザイン担当)の3名が、その色の魅力と、提案したい空間について語りました。

光を映し、空間になじむ柔らかなメタリックカラー「アルミニウムシルバー」

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まずご紹介するのは、標準色にすでにラインナップされている「ツイルゴールド」に続くメタリックカラーとなった、「アルミニウムシルバー」です。

「新色開発の背景のひとつとして、リモートワークが推進され、在宅時間が増加したという市場環境の変化が挙げられます。部屋で仕事をする機会が増えれば、エアコンの使用頻度も高くなります。そうした需要に対応し新しく提案できることは何か、デザイングループと一緒に議論を重ねていきました」(北村)

自宅での仕事の機会が増えたことで、「PCやガジェットとリンクする色」として、シルバーが提案されたといいます。

「ノートPCやスマートフォン、その他のデスクトップ小物などに見られる質感を求めて色の検討を重ねました。アルミの削り出しのアイテムなど私物を持ち寄り、色や質感のゴールを明確にし、多くのサンプルを制作しました」(吉川)

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▲さらさらとした印象のシルバー。白のような感覚で、様々な空間で使いやすい色

目指したのは、ギラギラと光沢のある派手なメタリックではなく、きめ細やかさを感じる、軽やかで落ち着いたシルバー。

「金属感が出すぎると少々冷たい印象になってしまいます。しかし今回の色は、窓の外の空の色や明るさを映してくれる、エモーショナルな色に仕上がりました。日本の住宅に多い白壁にもなじみますし、質感があるので程よくアクセントにもなります」(吉川)

シルバーの色味については、冷たくなりすぎず、かつ無表情にならないようにと、様々な塗料で試作。シルバー塗料をそのまま塗るだけでは光を吸収してしまい、影になったときに暗く見えてしまうため、パールを混ぜて光を反射させることに。混ぜる量が多いと白に近づいてしまうため、きちんとシルバーに見えるバランスをとりながら最も使いやすい色を追い求めていったと言います。

「今回のアルミニウムシルバーのような、白っぽいシルバーの色味は、実は家の中で頻繁に見られる色でもあるんです。たとえばカーテンレールや、窓のサッシ。特別に洗練されたインテリアでなければ合わないということはなく、幅広い方に受け入れられる、使いやすい色ができたと思っています」(林)

白の代わりとして取り入れやすく、都会的でモダンなインテリアに

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▲椅子やテーブルの脚、PCやガジェット、小物などのシルバーアイテムとは相性抜群

「アルミニウムシルバー」が似合うインテリアとしてまず挙げられるのは、シルバーをリンクさせた部屋。

PCやビジネスガジェットを使用するミニマルなワークスペースや、ステンレスキッチンのあるLDK、金属脚のテーブルがあるリビングなど、シルバーの要素をリンクさせると、空間にまとまりが出ておすすめです。また、モノトーンコーディネートや打ちっぱなしのコンクリート壁など、モダンな部屋に合わせるとスタイリッシュに決まります。

「最近では雑誌やテレビなどで“リモート映え”の特集が組まれるようになりました。アルミニウムシルバーは、そうした“魅せるインテリア”のひとつとして提案しています」(吉川)

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▲白を基調としたこんなインテリアに合わせると、ほどよいアクセントになる

一方で、ストイックでミニマルな部屋だけでなく、白壁をベースにしたベーシックな部屋にも合わせやすい色でもあります。risora標準色にはニュートラルカラーとして「ファブリックホワイト」がラインナップしていますが、アルミニウムシルバーは、ほんの少しグレーによった新しいニュートラルカラーとして選べる色。

窓の明るさをやわらかく映し、部屋になじみながらも、様々な表情を見せてくれるはずです。

空間に安らぎを与えるナチュラルウッド

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▲明るい木目は、日本で根強い人気の木製家具とも相性ぴったり

次にご紹介するのは、もうひとつの新色「ナチュラルウッド」。長引くステイホーム期間の中で、「家にいるときだけでも、できるだけ安らぎを感じる色を提案したい」という思いから生まれました。

「現在のrisora標準色の中でも、ファブリックホワイトに次いで、木目調(ウォルナットブラウンとブラックウッド)は好調。幅広いお客様に受け入れられている実感がありました。そこで、家具トレンドの中でも根強い人気のあるバーチ系の明るいウッドカラーを、ベーシックで安心できる色として加えることになりました」(北村)

明るい木目は、実はハウスメーカーや工務店など、住まい作りの現場でお客様の声を日常的に聞いている人たちからの要望も高かったのだと言います。

「建築の内装でもエアコンでも、もちろん好みに合わせて特定の色を選ぶこともあると思いますが、長く使うものだからこそ、安心して選びたい、飽きないものを選びたいという方は多くいらっしゃいます。ナチュラルウッドはそうした要望にも応えられる色になりました」(北村)

こうして生まれたのが、オリジナルで開発した、ナチュラルな木目調のパネル。

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▲特定の木種ではなく、risoraオリジナルの木目として開発されたナチュラルウッド

「色味については、赤みの強いチェリー材系と、バーチ材・オーク材系の両方を試作し、最後まで検討していました。
既存ラインナップにダーク系の木目があるので、それと異なる空間の提案ができるものをと、最終的にはバーチ系を選びました。7色の標準色のうち、3色を木目調が占めるというのは、メーカーとしては思い切った判断です。とても贅沢なラインナップだと思います」(吉川)

「ナチュラルウッドの木目は、特定の木材の木目を再現したのではなく、オリジナルです。開発にあたっては木目の素材をたくさん集め、色の方向性を絞っていきましたが、最終的には『家の中で使う木材は1種類とは限らない』と考え、より幅広いインテリアに合わせやすく、明るさを与えてくれる色を目指しました」(林)

リラックス感のあるナチュラルインテリアにプラス

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▲北欧テイストや和モダンなど、ナチュラルな素材を取り入れたインテリアにおすすめ

「ナチュラルウッド」は、部屋を明るく、温かくし、安心感を与えてくれます。バーチ材、オーク材の家具を取り入れた北欧系インリアや、自然素材の質感を活かしたナチュラルテイストのインテリアにぴったりです。

パネルと組み合わせる本体色は、ホワイトとダークグレーの2色から選ぶことができますが、ダイキンが提案するのは、ホワイトと組み合わせてより明るい印象をつくること。

「既存のブラックウッドやウォルナットブラウンはダークグレーの本体と合わせた提案をしていたので、それらとは全く異なる、新しい印象で選んでいただけると思います。木材の質感を活かした住宅はもちろん、明るい配色を用いたコーディネートでも使っていただきたいです」(北村)

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▲床、柱、天井、建具、家具など、家の中の様々な場所で使われる木材。ナチュラルウッドはどんな色にもマッチする

木目調のパネルといえば、risora Custom Styleの中にもREATECシリーズのラインナップがありますが、こちらはチークやゼブラウッドなど、特定の木目を再現したもの。ややスモーキーな質感もあります。

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一方、ナチュラルウッドは特定の木種の木目ではなく、様々な木材に合わせることができるオールマイティーな色。「本物の木材ではないけれど、どんな色や柄を構成すれば幅広いインテリアになじむ木目が作れるのか模索しました」と吉川が語る通り、設置イメージも浮かびやすい“失敗しにくい色”ともいえます。
ナチュラルウッドが加わり、より選択肢が増えたrisoraの木目調パネル。部屋の雰囲気や色調に合わせて選んでみてください。

>>>2つのパネルカラーが仲間入りしたrisoraの詳細は、こちらをチェック。

 

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林 宏紀
ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター プロダクトデザイン担当
フィンランド・アアルト大学を卒業後、国内外のデザイン事務所を経て、2018年ダイキン工業株式会社に入社。空気清浄機やルームエアコンのプロダクトデザインを担当し、国内外のメンバーとともにデザイン・開発を行っている。

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吉川千尋
ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター プロダクトデザイン担当
ダイキン工業株式会社入社の翌2014年から、セラムヒートや空気清浄機・ルームエアコンのプロダクトデザインと、UXデザインを担当。2016年にカラーコーディネーター1級を取得。risora Custom Styleのカラー選定やリニューアルにも関わる。

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北村亮人
ダイキン工業株式会社 空調営業本部 事業戦略室
2012年ダイキン工業株式会社に入社。翌年ダイキンHVACソリューション中四国株式会社に出向後、2016年より空調営業本部 事業戦略室で主にルームエアコンの商品戦略に携わる。