富山空港のほど近くの通りに面したある建物。大きな窓が印象的で、素敵なインテリアやスタイリッシュな外観が目を惹きます。一見まるでカフェやレストランのようですが、ここはファイナンシャルプランニングサービスを行う会社のオフィス。働くスタッフにとっても訪れるお客様にとっても居心地のいい、こだわりの空間づくりの秘密に迫ります。

毎日通っていたカフェも、今はオフィスの中に

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▲ 杉の一枚板でつくったカウンターを設けたカフェスペース。本格的なエスプレッソやカフェラテが楽しめるマシンを設置している。ここで仕事をすることもあるとか。

ファイナンシャルプランニング会社として、主に住宅ローンの相談や保険などの金融商品の紹介、コンサルティングを行っている株式会社カルナ。

「住宅展示場がすぐそばにあり、ハウスメーカーさんの営業所も近いため、住宅ローンの相談にいらっしゃる弊社のお客様にとって利便性が高いと考えて、ここにオフィスをつくりました。

納得がいくまでプランを練り、途中でプランを変更するなど、完成までに2年ほどかかっているんです」と語るのは、代表の舘林厚さん。

もともと20年以上にわたって生命保険の外交員を務め、「もっとお金の悩みに寄り添いたい」という思いから、ファイナンシャルプランナーとして独立。そうした職業柄もあってか、「性格上、無駄なものや無駄な支出、無駄な時間がとにかく嫌いなんです」と言う舘林さん。

オフィスも無駄のない、“シンプル&スタイリッシュ”がコンセプト。シャープな印象を与える特徴的な屋根や、モノトーンで統一されたインテリアで、そのコンセプトを体現しています。

内部は大きく接客スペースと執務スペースのふたつに分かれており、中に入るとまず出迎えてくれるのが、杉の一枚板でできたカフェカウンター。プロ御用達の業務用エスプレッソマシンを導入し、毎日淹れたてのコーヒーを楽しんでいると言います。

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▲ 本格的なコーヒーが楽しめるVBMのエスプレッソマシン。舘林さん自ら使い方をプロに教わりに行き、ラテアートもつくれるようになったそう。

「もともとカフェラテが好きで、お気に入りのカフェに週5日通っていたほどでしたので、オフィスを新築するにあたって、中につくってしまおう、と思ったのです。

それに、何事も人と違うことがやりたい性格なので、“カフェのようでもある、何屋さんなのかわからない”オフィスにしてほしいと設計士の方にもお願いしました。もしかしたら飲食店だと勘違いされる方がいらっしゃるかなと思っていたら、ここをオープンしてからカフェやケーキ屋、パン屋と間違えて入店された方が200名以上もいらして、驚きました」

スタイリッシュさと癒しをミックスさせたインテリア

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▲ 舘林さんのお気に入りスペースでもあるという、エッグチェアのある打ち合わせスペース。

建築と空間構成は設計士、庭は庭師と、それぞれ専門家に依頼したものの、家具や家電、オフィスで使うデスクトップアイテムなど、インテリアを構成するアイテムのセレクトは舘林さんが自ら行いました。

インテリア選びの基準も、オフィス全体のコンセプトと同じく“シンプル&スタイリッシュ”。カフェカウンター前の打ち合わせスペースに置いた北欧デザインの代表格であるエッグチェアも、空間を引き締める黒をチョイスしました。商談ルームのデスクトップには、フランスのシルバーカトラリーブランドの小物が光り、洗練された空間を演出しています。

その一方で、木材や緑など、自然素材を組み合わせているのもカルナのオフィスの特徴のひとつ。商談ルームの家具は木材で統一されており、大きな窓から望むことができる庭の緑にもマッチしています。

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▲ 商談ルームにあるテーブルやチェアは、高級感のあるダークブラウンのウォールナット材で統一。ペンダントランプはyamagiwaの「マユハナ」。

「木もとても好きな素材です。2011年に自宅を建てたときに依頼した家具メーカーさんに今回もお願いしました」

機能性はもちろん、デザイン性も妥協しない家電選び

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▲ 手前がスタッフの執務スペースで、奥は舘林さんが使っている社長室。整理整頓された美しいオフィスに、「ブラックウッド」のrisoraが映える。

オフィスを快適に保つために欠かせない家電製品も、機能性はもちろん、デザイン性にも妥協なし。BALMUDAの加湿器やトースター、そしてCADOの加湿器など、インテリアとして違和感なくトータルコーディネートされています。

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▲ 円盤にふたつの円柱がのった、近未来を思わせるデザインのCADOの加湿器。次亜塩素酸水を入れるなどして、感染症対策の一環としても活用。

「効率よく仕事をするには、環境が大切です。気持ちよく仕事ができるように、家具や家電は使い勝手がよくメンテナンスも楽で、見た目も良いものを選びました。飽きがこなくて見ているだけでワクワクします」

しかし、こだわりのインテリア選びの中で唯一妥協しかけていたのが、エアコンでした。

「建築が完成した後、エアコンを選んでいたのですが、よくあるプラスチック感のある白い色と、前に出っ張った形がどうしても気になってしまい、当初は天井に埋め込むか、家具を造作して隠すしかないかなと思っていたんです。そんなときに設計士の方が紹介してくれたのがrisoraでした。『舘林さんならきっと好きだろう』と思って紹介してくださったようです(笑)。ひと目見て、形がすっきりとしていてシンプルなことと、色のバリエーションが豊富な点が気に入り、カルナのオフィスにぴったりだと思いました」

さっそく、商談ルームと、執務スペースに合計3台のrisoraを設置。色は全て「ブラックウッド」を選び、空間をクールに引き締める役割を果たしています。

「薄型でコンパクトなのが一番の魅力です。部屋の中にあっても圧迫感がなく、運転中にパネルが開いても美しいシルエットは保たれますし、隠す必要がありません。むしろお客様に見てもらいたいと思うくらいです。

それに機能面でも、スマートフォンをリモコンにできるのが気に入っています。リモコンを置く必要がないのでオフィスがよりスマートになりますし、外出先からもエアコンをつけたり消したりできるので、快適な空間で仕事することができています」

癒しも与えてくれる環境で、会話も弾む

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▲ 商談ルームの外に広がるウッドデッキには、ハンギングチェアを設置。大きな窓から眺められる庭の植栽は、信頼する庭師に依頼した。

こうして完成した、舘林さんのこだわりがつまったカルナのオフィスは、2019年の富山商工会議所主催「ベストショップコンテスト」で「サイン・景観賞」を受賞。近辺のランドマークとして認知されつつあります。

限られた時間の中で効率よく働くためにとことんこだわってつくった空間ではあるものの、肩の力を抜いてリラックスできることも大切。大きな窓の外には季節ごとに花を咲かせる植物のある庭が広がり、季節や天候、時の流れを感じながら過ごすことができます。

「通りに面した窓は、ペアガラス(※二重ガラス)でつくれる最大サイズなんです。オリジナルで造作した木製のサッシが、フレームのように機能して、晴れた日には遠くに立山連峰も見えるんです」

さらに、この“オフィスらしくないオフィス”は、スタッフだけでなくお客様にも喜ばれる場所になっています。

「自慢のマシンで淹れたカフェラテを片手に、将来のお金の相談をする。僕もお客様も気持ちを落ち着けて、中身の濃い話ができていると思います。

それに、お客様の多くが住宅ローンの相談でオフィスを訪れるため、住まいに対する関心が高く、オフィスのインテリアを参考にされることも多いように思います。ある意味、住まいのショールームのような役割もあるのかもしれませんね」と笑う舘林さん。

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▲打ち合わせスペースでは、窓の外の景色を眺めながらゆったりと話ができる。お客様からはインテリアに関する質問を受けることも多い。

時間をかけて完成させたオフィスは満足度も高く、居心地も抜群。

今後は新しい拠点をもつ計画もあるといい、出かけた先で気になる建築をめぐったり、SNSで海外の建築を眺めたりと、さらなる空間づくりにも思いを馳せています。

 

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