第2回 カギは防雪・防寒対策。北海道ならではの床暖房工事とは
2009.04.10
今回のポイント
積雪も多く、気温の低い北海道で、
とくに気をつけなければならないのは、
温水配管の放熱や室外ユニットの凍結。
設置工事にも、ヒートポンプのパワーを
ムダなく利用するための工夫が
ちりばめられています。
今回は床暖房と同時に、ダイキンエコキュートも導入。
船木様のヒートポンプライフに向けた
工事がスタートしました。
室外ユニットの二段積みで、積雪を避けスペースも節約
既存の床暖房パネルを利用するため、
床の張り替え工事などが不要な船木様邸の工事。
真っ先に運び込まれたのは、ヒートポンプ式の
室外ユニットでした。まずはこれを、
建物南側の軒下に設置するところから、
工事は始まります。
室外ユニットの設置位置は、現在リビングに設置されている
ダイキンのルームエアコンUXシリーズの室外機の真上。
金属製の架台を新たに設置して、2つの設備を二段積みにしていきます。
下段にはエアコンの室外機、床暖房の室内ユニットは上段に、
少しでも高い位置に置くことで、室外ユニットが雪に埋もれて
使用できなくなるのを防ぐための工夫です。
同時に、複数の室外機をコンパクトにまとめ、
スペースを節約することもできました。
床暖房の室外ユニットを
架台の上段に設置
(下はエアコンの室外機)
さらに、室外ユニットの吸気口から雪を吸い込むことのないよう、
防雪用のフードも取り付けて、室外ユニットの準備は完了しました。
ポイントは断熱。既存の温水配管を室外ユニットへ
室外ユニットの準備が終わったら、
室内との温水配管の接続工事に入ります。
既存の温水配管は、床面から伸びたゴム製の配管が
直接FF式灯油ストーブに接続されていました。
ストーブに接続されていた
ゴム製の温水配管
このゴム製配管をストーブから取りはずし、
接続用の継手と呼ばれる金具で架橋ポリエチレン管につなぎ、
今は使われていない壁面の通気口から屋外へ出して
室外ユニットへと接続することになりました。
今回、温水配管を室外へ出すために
使用することになった通気口は、
昔、ストーブの排気用に使用されていた穴を、
その後のリフォームに際してふさいだもの。
そのため、リフォーム時に取り付けた外壁の
サイディングボードには穴が開いていませんでした。
この通気口を再活用するにあたり、
穴の内部に詰められたウレタンを除去。
同時に、金属製のサイディングボードにも
直径10cm程度の穴が開けられました。
通気口の再利用により、25cmもの厚みのある頑丈なコンクリートの
壁面に手を加えることなく、工事を進めることができました。
通気口のある建物の東面から室外ユニットまでは、
リビングの窓枠の上を通して接続。
外気にさらされるこの部分には、配管の温水の温度を保つため、
しっかり断熱材を巻き、とくに念入りな防寒対策が施されました。
室外ユニットまでの温水配管に
断熱材を巻く作業
配管の準備が整ったら、実際に接続する前に、
既存の温水配管内に入っている不凍液を抜き、
内部を洗浄したうえで専用の不凍液を充填。
約5年といわれる不凍液の交換時期を考えると、
今回のリフォームはちょうどよい交換のタイミングとなりました。
既存の温水配管内の
不凍液を抜く
不凍液の交換が終わり、すべての温水配管を接続したら、
室内外ともに専用のモールで覆い配管作業は完了しました。
通気口を利用し新しく
取り付けられた温水配管(左)。
右はストーブの排気管
暖房専用プランの契約に向けて、電力まわりの工事も実施
こうして床暖房関連の工事が進められるのと平行して行われたのが、
電力会社による電気のメーターや分電盤などの工事です。
電気メーターの工事
今回のリフォームに伴い、船木様が注目されたのが、
北海道ならではの融雪用電力(※)プラン。
これは、暖房や融雪に電気を使う人を対象に、
10月から翌年の5月の冬季期間だけ適用されるプランで、
1日のうち決まった数時間のみ電気を遮断するかわり、
使用中の電力料金をぐっと安くできるというものです。
船木様が契約を決めたのは、「ホットタイム22ロング(※)」というプラン。
このプランでは、決められた時間帯には送電そのものをストップしたり、
オフシーズンにはブレーカー自体をオフにすることになるため、
通常の電力とは別系統の送電装置が必要。
新たに1本電線を引き込み、タイマーがついた専用の
メーターを設置する工事が必要になるのです。
同時に、今回、ダイキンエコキュートを導入し、
給湯についても電化することになった船木様は、
床暖房以外の電力についても、夜間の料金が安くなる
「ドリーム8(※)」プランに契約変更されることに。
これについても、専用のメーターが用意されることになりました。
200Vの分電盤の取替えが必要になったのも、北海道ならでは。
他の地方の分電盤には、200Vの電源が
用意されていることも多いのですが、
夏にエアコンを使う機会の少ない北海道では
200Vに対応していることはまれ。
船木様邸の分電盤も、床暖房向けに、
200V対応のものに変える必要があったのです。
電気工事会社が担当したのは、電線から新たに電気を引き込み、
新しいメーター設置する屋外の工事と、
分電盤に新たに設けられた床暖房用の回路を
融雪用電力プラン用のメーターにつなぐ工事。
作業が終わり、従来から電力メーターが設置されていた玄関脇に、
「ドリーム8」用、通電遮断用のタイムスイッチ、「ホットタイム22ロング」用、
送電ストップ用タイマーの3つが並ぶと、
あとは各機器の接続を待つのみとなりました。
ドリーム8用のメーター(左)
通電遮断用のタイムスイッチ(中央)
ホットタイム22ロング用のメーター(右)
※詳しいご利用条件、料金単価については
北海道電力株式会社のホームページ等をご覧ください。
またお住まいの地域により電力会社のサービス名称・内容は異なります。
ダイキンエコキュートの工事も完了して、ヒートポンプライフがスタート
床暖房の工事が終わると、最後はエコキュートの設置です。
気温の低い北海道では、給湯設備は室内に置かれるのが一般的。
エコキュートの貯湯ユニットも、
凍結を避けるため、室内に設置されることになりました。
ご家族お2人分で使用するお湯の量を考えて
370リットルの貯湯タンクを選ばれたご主人でしたが、
これまで洗面所内に設置されていた
灯油ボイラーと入れ替えようとすると、
その場所にはサイズがあわないことがわかりました。
そこで船木様が目をつけたのが、
洗面室の向かい側にあたる和室の床の間部分。
このスペースのうち半間分を廊下側から利用することで、
エコキュートの設置場所に当てたのは、
さすが設備設計のプロでもあるご主人のアイデアです。
和室の床の間にきれいに収まった
エコキュートの貯湯ユニット
(廊下側から撮影)
お湯を沸かすエコキュート用のヒートポンプユニットが置かれたのは建物北側の壁面。
以前の給湯器の排気口に使われていた穴を配管に利用し、
積雪を避けるため高い位置の壁面に取り付けられました。
エコキュートのヒートポンプユニット
こうして、ヒートポンプ式温水床暖房とエコキュートに
生まれ変るまでに要した作業の日数は約4日間。
春が近いとはいえ、まだ寒い時期の続く北海道で、
大気の熱を利用するヒートポンプライフが始まります。
「いよいよ、北海道での省エネに貢献するヒートポンプの
有効性を試すことができると思うと楽しみです。」とご主人。
果たしてヒートポンプは、期待にこたえてくれるでしょうか?
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