第2回 既存のパネル活用or床材重ね貼り、2つの方法を徹底比較
2008.05.29
今回のポイント
長年にわたりガス温水式床暖房を
愛用してこられた湯浅様ご一家の願いは、
気になり始めた不具合を解消し、
ランニングコストが下げること。
実はこの希望を実現するために、
全く違う2つの方法があったのです。
その秘策が現地調査で明らかに!
すでに床暖房のあるお宅ならではの秘策とは?
現地調査当日、ダイキンエアテクノ株式会社の
礒野氏ほか3名のスタッフが到着し、
真っ先に確認したのは、現在の床暖房の正確な施工範囲。
実はこのスタートに、すでに温水式床暖房が導入されている
湯浅様邸ならではの秘策が隠されていました。
通常のお住まいに新たに床暖房を設置する際、主流となるのは、
既存の床の上に温水パネル付きの床材を重ね貼りする方法。
もちろん湯浅様邸でもこの方法は有効です。
ところが、すでに温水式床暖房の設置されている湯浅様邸の場合、
「現在使われている床暖房の温水パネルをそのまま活用し、
熱源だけをガスからヒートポンプに切り替える」という全く別の方法も考えられる、というのです。
この方法なら、新たな温水パネルを貼るより工事の負担はぐっと少なく、
しかも低コスト。部材など新たな材料が少なくて済むので環境にも優しそうです。
「具体的な工法まではイメージしていなかった」という湯浅様ご夫妻にとっても、
この提案は意外なようでした。
まずは既存の設備が活かせるか、徹底調査
とはいえ、既存の設備を活かした工事が可能かどうかはチェックが必要。
まずはこの点を中心に調査が行われることになりました。
床暖房の設置範囲については、二度のリフォームで把握しづらくなっていましたが、
前回のリフォーム時にとった見積もりが参考になりました。
課題1 : 室外機の配管が、ヒートポンプユニットに合うか?
まずは現在のガス式床暖房の室外機まわりを確認。
配管状態をチェックしたところ、
ダイキンのヒートポンプユニットにも問題なく適合することがわかりました。
課題2 : 温水パネルの大きさがダイキン製品に合うか?
ダイキンのヒートポンプユニットでは、
1系統の温水パイプがまかなえる温水パネルの面積は6畳程度まで。
したがって、床にすでに埋設されている既存の設備を活かすには、
今使われているパネル1枚あたりの面積を確認することが必要です。
これを確認するために、スタッフが床下に入り、目で見て確認。
配管の様子から、パネル1枚あたりの面積は、
ダイキンのヒートポンプユニットでも十分対応できるサイズとわかりました。
課題3 : 老朽化の問題は?
古さによる不具合は、湯浅様ご一家が最も気にしていらっしゃる点の一つです。
床下をチェックした結果、配管の一部に銅管が使われていることが明らかに。
銅管は劣化しにくく丈夫なのでそのまま使用可能。
プラスチック管の部分だけ交換すれば、今の配管が十分使える、ということがわかりました。
あわせて床材の下の温水パネルについても「空気に触れない部分でもあり、
まず劣化の心配はないでしょう」との判断が下されました。
その他の施工ポイントもじっくりチェック
既存の配管が使用可能かどうかとあわせて、
通常の施工に関するチェックも進行。
過去に2度のリフォームをしている湯浅家だけに、
配線や機器の設置についても慎重に検討が進められました。
課題4 : これ以上配線をしても大丈夫?
9人という大家族の湯浅様ご一家だけに、
現在26系統ある分電盤の回路が全て使用中という状態。
そこでさらに2系統、回路を増設することで対応することになりました。
配線については、天井の管理口の内側を通すことで
できるだけ露出せずに施工できそうです。
課題5 : リモコンの位置は?
湯浅様の希望するリモコン位置はリビングと洗面所を仕切る壁のリビング側。
ただし、湯浅様邸の場合、壁の中の柱が邪魔しているため配線を通すことが難しいという説明が。
そこで、できるだけ壁の中を通す努力をしつつ、
どうしても配線を露出せざるをえない場合は、
リビング側ではなく洗面所側に線を這わせるということになりました。
課題6 : 室外機の置き場は?
今回の床暖房の更新でガスが完全に不要になるのなら、
現在あるガスの室外機をそっくり置き換えればよいのですが、
ガス式浴室ミストサウナがあるのでそうはいきません。
でも、もし既存の配管を活かすのであればとくに、
今ある室外機のできるだけ近くにヒートポンプユニットを置きたいところ。
実際に測ってみたところ、ガス室外機と、その隣に置かれたエコキュートの間に、
ちょうどヒートポンプユニットが収まることがわかり、この問題も解決しました。
気になるポイントは?既存の配管vs新パネル重ね貼り5番勝負
施工自体にはとくに問題はなく、既存の配管を活かす工法も可能。
ここまでわかったらあとは、既存の配管を活かす方法と、
新しいパネルを上から重ね貼りする方法、どちらか選ばなければなりません。
そこで改めて、湯浅様のご希望や疑問をもとに、
メリットデメリットを検討することになりました。
ポイント1 : 今感じている不具合は解決する?
ところどころが冷たい温度ムラや、
設定温度の割に熱くなりすぎるといった不具合は、
「老朽化のせい?」と気になっているポイント。
既存の配管を使う方法では解決しないのでは、
というのが湯浅様ご夫妻の疑問です。
■既存の配管を使う場合
「温度ムラ」についてよく調べてみると、
現在使われているパネルには、縁の部分に温水の通っていない部分があり、
パネルの継ぎ目部分を中心に暖まらない部分が帯状に残ってしまっていることがわかりました。
これは故障ではないものの、既存のパネルを使う場合、同じ状態が続くことになります。
一方、最も気になる「熱くなりすぎ」という点については、
「そもそもヒートポンプ式床暖房では、流すお湯の温度がガスより低めなので、
今のように熱くなることはありません」との説明が。
その他老朽化による不具合も、必要な部品のみ取り替えるということで解決できます。
とはいえやはり18年間使ってきた設備。
「何となく不安、という気持ちはありますね」と奥様はお感じのようです。
■新しいパネルを重ね貼りする場合
現在の温水パネルと違って、
すき間なく温水が行き渡るようパネルを敷き詰めるので、
冷たい部分が残ることはありません。
もちろん、ヒートポンプ式である以上、「熱くなりすぎ」も解消します。
ポイント2 : 設置範囲はどうなる?
現在、南側半分しか設置されていないためにほとんど床暖房が使われていないダイニング。
「せっかくなら全面に広げたい」とは奥様のご希望です。
■既存の配管を使う場合
パネルの位置はそのままなので、設置範囲を広げることはできません。
「この面積では部屋全体を暖めることはできないので、
他の暖房の併用が必要になると思います」と礒野氏から説明がありました。
■新しいパネルを重ね貼りする場合
現在のパネル位置に関係なく、範囲を広げることができます。
ただし、キッチン部分の床面にコンセントがあるので、設置できる範囲はここまで。
ただしコンセントの位置を動かしてよいならもう少し範囲を広げることも可能です。
部屋全体の6〜7割に設置することができれば、他暖房との併用は不要になります。
ポイント3 : 段差はできる?他の床との見た目の差は?
8年前のリフォームでやっと実現したバリアフリーだけに、
とくにご主人は、床暖房の施工で段差が復活することには抵抗がおありのよう。
床材の色についても気になるところです。
■既存の配管を使う場合
温水パネルを追加する必要がないため、段差は生まれず床材もそのまま。
「まだそれほど古くない今の床材も、できれば活用したい」というご主人のご希望にもかないます。
■新しいパネルを重ね貼りする場合
厚さ約1.2cmの床材を貼り付けるため、施工部分の床面が少し上がります。
ただし、廊下等との境目には専用の縁をつけることでなだらかな仕上がりが可能とのこと。
一番の問題はドアのある部分ですが、
すべて木のドアが使われているので適宜カットすれば問題ないとのことです。
床材の色については、全く同じにすることはできませんが、
奥様は「せっかくなら床の色も変えて気分を変えるのもいいかも」とお考えのようです。
ポイント4 : 工事の方法は?
リフォーム慣れしていらっしゃるだけに、
工事の方法はそれほど気にならない湯浅様ご一家ですが、
既存の配管を使うかどうかによって工法はずいぶん違うようです。
■既存の配管を使う場合
工事は床下と室外機部分のみ。
部屋の中に立ち入る必要もほとんどないので、生活にはほとんど支障がありません。
■新しいパネルを重ね貼りする場合
家具の移動が必要になりますが、面積も広く家具も多いだけに、
「少しずつ動かして作業するより、いったん撤去して一気に進めるほうがよさそう」との礒野氏。
隣接する和室を置き場に使えば、
TVの配線もでき「工事中もTVは見たい」というお子さんの希望もかないます。
ポイント5 : 施工コストはどうなる?
モニターでのご応募とはいえ、自己負担分があまり大きくなることには抵抗も。
既存の配管を使えば、新たな床材を用意する必要がなく、
工事の手間もかからないため、コスト面では明らかに有利になります。
いよいよ決定!湯浅様ご一家の結論は?
5つのポイントについて熟考した結果、
ご夫妻が出した結論は「新しいパネルの重ね貼り」でした。
「今の床材がまだきれいなことを考えると、
既存の配管を活かす方法も魅力的だったのですが」とおっしゃる一方で、
決定打となったのは、何といっても床暖房面積が広げられること。
「部屋全体が暖まること、今まで面積が少ないため利用していなかったダイニングでも、
朝食の時間に床暖房が使えるというのが魅力です」。
フローリングが新しく、きれいになるのも奥様にとっては嬉しい様子です。
床材については、後日、ダイキンエアテクノ社が持参したサンプル材で検討。
「せっかく変えるなら、2匹の大型犬が歩き回ったり、
子どもがものを落としても傷がつかない床材を」というご主人のこだわりと、
「お部屋全体を明るく、そして家具に合う色に」という奥様のご希望で、
「はるびよりXD ハードメープル」を選ばれました。
工事については、既存の配管を使うより大がかりになりますが、
そこはリフォーム慣れした湯浅様ご一家。
とくに不安もなく工事の日を迎えられることになりそうです。
湯浅様邸のレポート一覧
-
第4回 LDK全体が暖かくなり、広々使える空間へと変身2008.12.26 -
第3回 気心知れたリフォーム会社と専門スタッフの施工で安心2008.06.23 -
第2回 既存のパネル活用or床材重ね貼り、2つの方法を徹底比較2008.05.29 -
第1回 古いガス式床暖房をヒートポンプで一新2008.05.08
-

船木様邸 第4回 北海道でも発揮されたヒートポンプの暖房パワー2010.02.05
丸岡様邸 第4回 吹雪の日にも暖かなまま、エコ・省エネ生活を続行中2010.02.02
船木様邸 第3回 北海道の暖房の新戦力に。建築設備のプロのご主人も太鼓判2009.05.27
丸岡様邸 第3回 ヒートポンプ+太陽光発電の省エネ生活を寒冷地で実現2009.05.27
井戸様邸 第4回 足元から暖まることで生活スタイルが変わった2009.05.27
船木様邸 第2回 カギは防雪・防寒対策。北海道ならではの床暖房工事とは2009.04.10
丸岡様邸 第2回 経済性とエコを目指した床暖房工事がわずか1日半で2009.04.10
高橋様邸 第2回 室内の作業は最小限。まる1日で工事は終了2009.04.10
井戸様邸 第3回 床暖房と天井埋込形エアコンの工事がわずか5日で完了2009.04.10
船木様邸 第1回 厳寒の地で、灯油炊き床暖房をヒートポンプに一新2009.03.24
丸岡様邸 第1回 北国でも脱・石油!経済的でエコなヒートポンプ式床暖房を2009.03.24
高橋様邸 第1回 ヒートポンプ式温水床暖房への変更でオール電化生活へ2009.02.02
-


バリアフリーはそのまま
床材一体型でスピード施工
福岡県飯塚市 石井様邸
「7つの疑問」を
工事店チームが1日で解決!
「仮住まいが必要?」「床の段差は?」・・・
床暖房設置の不安や疑問をしっかり解決。
故郷イギリスの暖かさを再現
広いLDKをまるごと快適に
千葉県松戸市 ローガン様邸
欧米の家のように、
部屋全体を暖かく健康的に
日本で暮らして7年。家族が集うLDKを
暖めるために、温水式床暖房に注目。
ガス式床暖房からヒートポンプ式へ
大家族が集う空間を快適に
奈良県生駒市 湯浅様邸
古いガス式床暖房を
ヒートポンプで一新
9人家族に必需品となっているガス式床暖房
目立ち始めた不具合や電気代の問題とは・・・
エアコン連動タイプの温水式床暖房でこだわりの新築マイホーム
大阪府堺市 藤田様邸
新築LDKの心地よさを追求。
夫妻のベストな選択とは?
せっかくの新築だから、冷暖房設備も妥協したくない
そんなご夫婦が選んだートポンプ式温水床暖房。
エアコン連動の温水式床暖房で日照不足のLDKを一年中快適に
神奈川県川崎市 井戸様邸
天井埋込形エアコン更新と
床暖房で日照のないリビングを暖かく
購入した一戸建ての最大の悩みは日照りのない寒いリビング。床暖房で暖かく、健やかにくらしたい
熱源転換でスムーズな工事オール電化実現で省エネ快適生活
高知県高知市 高橋様邸
ヒートポンプ式温水床暖房への変更でオール電化生活へ
ガスによるマイホーム発電から、ヒートポンプ式床暖房によるオール電化実現へ。光熱費削減に期待。
灯油からヒートポンプ式の温水式床暖房で寒冷地でも省エネ・快適に
秋田県鹿角市 丸岡様邸
ヒートポンプ式温水床暖房への変更でオール電化生活へ
寒冷地の灯油代は大きな負担。経済性とエコを両立したヒートポンプ式床暖房で、脱・石油を目指す。
灯油式床暖房からヒートポンプ式へ寒冷地での光熱費削減に挑戦
北海道江別市 船木様邸
雪の多い北海道でも、灯油式温水床暖房をヒートポンプ式へ
真冬にはマイナス15度になることもあるという北海道の船木様邸。ヒートポンプの快適性に期待。








